討論、木造住宅とRC住宅どっちがいい? 友人同士の本音トーク お客様インタビュー
お客様インタビュー:木造住宅とRC住宅、友人同士の本音トーク
インタビュアー: 佐藤凛
インタビュアー: 今日は、木造住宅にお住まいのSHさんと、RC(鉄筋コンクリート)住宅にお住まいのNKさんにお話を伺います。お二人は長いお付き合いだと伺いましたが、それぞれの住宅に住んでみてどう感じているのか、ざっくばらんにお話いただければと思います。
SHさん: はい、よろしくお願いします。僕は3年前にハイクラスのハウスメーカーで木造住宅を新築しました。木造一択でした。だって、住宅性能値は最高だし、環境に優しい木造がこれからは転売しやすいと言われたので。木造ビルも増えていますしね。ただ、本音を言いますよ。正直言うと、木造住宅は強風時に揺れて怖いんですよ。特に台風のときは最悪です。家全体が揺れて寝ていても目が覚めるし、「大丈夫かな?」って思っちゃいます。
インタビュアー: そうなんですね。それはちょっと不安になりますね。NKさんのRC住宅では、そういった揺れはどうですか?
NKさん: 僕は建築家の友人宅に遊びに行ったとき、RC住宅を初めて知りました。その友人に相談したら、RC住宅が最強だと、、。木造は国の政策で推奨されているから性能値が高く出やすくなっているだけで、例えばRCの断熱性能はめちゃくちゃ高いよ。だって気密性能って知ってる?隙間が小さいほど良いんだけど、コンクリートを基礎から隙間なく打ち上げていくんだから隙間が無いんだよ。何より静かで揺れないよ。これを聞いて、RCにしました。実際に2年住んでいるけど揺れを感じないんですよ。台風が来てても、「本当に外で嵐が来てるの?」って思うくらい静かで、全然気にならないですね。むしろ、SHの話を聞いてびっくりしました。
SHさん: いやー、ほんと羨ましいよ。しかも、NKの家って今年の猛暑でも冷えっ冷えだよな。真冬もあったかいもん、鉄筋コンクリートのイメージが変わったよ。
NKさん: そうそう、断熱材がしっかりしてるから、真夏でもエアコンが効きやすいし、涼しいんだよね。断熱材と断熱窓をしっかり選択すれば大丈夫って建築家に言われたから、じゃあ、設計してよ、と頼んだんだ。木造は柱と梁で構成されているから、そこから隙間を徹底的に埋め尽くすという工程があるでしょ。びっしり断熱材をはめ込むから、断熱性能は全く問題ないよね。
SHさん: 断熱は最強だろうね。まったく問題ないよ。何より木に囲まれて住んでいるっていう感覚があって、なんかホッとする感じがあるんだよ。これが日本の文化なのかな?そもそもさ、木造住宅って安いと思ってたんだけど、それは勘違いだった。家を建てるときにあちこちから見積もりを取ったんだけど、ローコストだと2,500万円くらいで、ミドルクラスのハウスメーカーだと4,500万円、ハイクラスになると5,800万円って感じだったんだ。それぞれのモデルハウスに行ってみたんだけど、その価格差はすぐに分かったよ。
NKさん: へぇー、何が違うの?
SHさん: 柱の太さとか梁の太さとか、構造はさほど変わらないんだけど、ローコスト住宅は、なんて言うのか、全部偽物なんだよね。この前までマンションに住んでいたんだけど、室内ドアとかフローリングは本物の木かと思ってたんだ。でもあれ、木目調のシートを貼り付けてあるんだぜ。で、CMでお馴染みのローコスト住宅は、まさにそれ。キッチンとかユニットバスも、色とかで豪華に見せてるけど、調べるとグレードの低い商品で揃えてるの。キッチンメーカーのショールームでこっそり、「グレードの差ってなんですか?見た目は同じですよね?」と聞くと、「まずは表面材です。安いグレードは剥がれやすかったり、汚れが付きやすい。高級グレードはピアノの仕上げと同じような塗装です。同じ色でも比較してください。光沢や手触りが違うのが分かりますでしょ。」って、本当に全く違うんだよ。驚いたよ。室内ドアも安いグレードは、紙に木目をプリントしているんだって。それを木屑をノリで固めて作ったドアに貼り付けてるんだよ。こんなの知らないでしょ。普通は。
インタビュアー: SHさん、よく調べましたね。その通りなんです。同じように見えても、例えば賃貸マンション用に使う製品と、分譲マンション用は違いますし、建売用と注文住宅用も違うんです。材質を比較することなく出来上がった内装を見れば、一般の方には判別できません。でも、長く住むと、プリントなので剥がれてきます。何よりプリントなので、劣化しないんです。ですから、30年後も角は剥がれているのに、木目柄はピカピカという、おかしな現象が起こったりします。天然木の場合は時間の経過とともに色が変わります。床や造作材と一緒に素敵に劣化します。
NKさん: なるほど。うちは建築家が素材にこだわったから、全部が自然素材なんです。建材メーカーの規格ドアも美しい柄なので、それで良いと言ったのですけど、やめとけ、と。その意味が分かりました。ところでSHは結局どこのハウスメーカーにしたの?
SHさん: 結局、ハイクラスのハウスメーカーに決めたんだよね。モデルハウスでは、壁や床は本物の木だし、キッチンやユニットバスは国内メーカーの最高級品が使われていてさ。でも、僕はユニットバスがあまり好きじゃなかったから、ホテルみたいなバスルームにしたり、玄関ドアを重厚感のある鉄製にしたんだ。結果的に7,000万円を超えちゃったよ。(笑) RCを知っていれば、もっと選択肢が広がってたかもなぁ。
NKさん: なるほどね。でも、結局7,000万円かけたんだとしたら、RC住宅も視野に入れてみても良かったかもね。うちも同じくらいかかったけど、あの堅牢さや静かさを考えると、満足してるよ。
インタビュアー: 差し支えなければ、おいくらでしたか?
NKさん: 別にいいですよ。建築費は外構工事を別にして、7,500万円でした。
SHさん: え?うちと変わらんな。RC住宅も建てられたんだなー。ちょっと後悔。でもまぁ、風が強くなければ快適だよ。地震は仕方ないけどね。RCだって地震では揺れるだろ?
NKさん: 揺れるよ。でも、揺れが少ないね。RCでも壁式RCという構造なんだ。これは建築家が推奨してくれたんだけど、壁が耐力壁になっているから、ある意味カッチカチの家で、揺れが少ないし、何より頑丈だからって言ってたよ。
インタビュアー: 実際に揺れを感じることが少ないというのは大きな安心感ですよね。
SHさん: そうなんだね。ちょっと気になるんだけどさ、地震で揺れるじゃん?そうすると、木造の場合、揺れた時に、柱と梁を繋ぐ金物のボルトって緩まないのかね?何回も地震が来ると緩むような気がするんだけどな。どうなの?
インタビュアー: 実際は緩みます。これは仕方ないですね。緩みにくい仕組みになっているのですが、地震の力って信じられないほど強いんです。東日本大震災の時、木造のお客様から、壁紙のクロスが切れたとか、下地のボードが割れた、室内ドアが開かない、といった問い合わせが結構ありました。これは、柱や梁が大きく動いたからです。つまり、接合部もダメージが大きく出ているはずです。でも、締めなおすのは困難なんです。一方で、壁式RCのお客様からは問い合わせはありませんでしたね。唯一あったのが、窓開口部の端の壁にクラックが入った、というものでした。コンクリートの中には複雑に鉄筋が絡み合っているんですが、一定の場所に力がかかったのだと思います。クラックは補修できるので綺麗になりました。
NKさん: そもそも、住宅って何年保つのでしょうね。
SHさん: それ、俺も気になって建築家に聞いたんだけど、「結論はメンテナンス次第」だって。欧州には200年以上の住宅やアパートがいっぱいあるしね。日本はスクラップ&ビルドの文化があるから、良い住宅を作らなかったんだよね。断熱性能が良くなったのも最近だし、耐震性能もね。
インタビュアー: その通りですね。法定耐用年数からすると、RCが47年で、木造が22年ですから、RCの方が長く使えるとされています。それは事実なのですが、RCは外壁塗装や防水をしっかり行えば100年以上は問題ないですし、木造も同じだと思います。ただ、木造の場合、シロアリの問題や、火災、洪水など、災害にはどうしても弱いので、建築場所によると思います。地盤の良い高台で、ハザードマップでも問題のなさそうな場所に建築すべきですね。微妙な場所にはRCがお勧めです。
SHさん: え?我が家はハザードマップでは一応危険と、、。木造ヤバいんですか?
インタビュアー: いえいえ、、。何が発生しやすい場所なんですか?
SHさん: 洪水で一級河川が氾濫するという、、。ないと思うんですけど。あったら東京全滅じゃないかと、、。
インタビュアー: なるほど。事実を言うと、激流の場合、木造は流されやすいです。映像で見られたことがあると思いますが、残るのはRC住宅やRCのビルですよね。今、木造のハウスメーカーが浮く家を研究開発していますが、それは浸水対応の住宅で、激流には対応していません。RC住宅でも流されはしませんが、内装や電気設備はダメになりますので、大きな改修工事が必要になります。ただ、家そのものは残ります。
SHさん: 何か良い方法はないですか、、今から。
インタビュアー: 本気で考えるならば、家のまわりを高くて頑丈なRCの擁壁で囲って、入り口には止水板を設置することです。
SHさん: そうですか。見積もってもらおうかな。
インタビュアー: 隣地の状況にもよるので、本気でお考えなら設計を向かわせますよ。ところでNKさんは、ハザードマップを確認しましたか?
NKさん: しました。建築家に言われて。うちは、世田谷区ですが、小さな川が氾濫したら浸水するエリアです。なので、1階の床を結構高くしました。あとは、首都直下型地震くらいですかね。地震は乗り切れますが、周辺の火災が怖いのでRCは最適と考えました。
インタビュアー: 万全ですね。あとは備蓄でしょうか。
NKさん: そうなんですよ。備蓄庫を作りました。1階の床を高くしたおかげで、床下が備蓄庫になったんです。というより、そのように設計してくれたんですけど。水や食料は完璧です。太陽光パネルも設置して、蓄電池もあります。蓄電池は浸水しない場所になってます。これもまあ、建築家のアイディアです。
SHさん: ほんと万全だな。流石にそこまで提案されなかったー。それがハウスメーカーなのかなー。外構工事も最初50万円見といてください、って言われたけど、完成に近くなってきたころ見積もりもらったら、500万円オーバー。10倍じゃん、と言って、焦って他社に頼んだよ。他社に頼む人が多いらしいよ。家さえ売れれば良いのかね。
NKさん: そりゃひどいな。うちは、RCだから、建物と一緒に外壁なんかを造ったので安かったよ。というより、建築費の一部に外構が入っているんだな、よく考えると。そう考えると安かったのかもな。
SHさん: 外構いくらした?
NKさん: 300万円で、照明や植栽もデザインしてもらったよ。
SHさん: そりゃ安いな。俺は500万円の他に植栽だった。なんだかんだで600万円だね。
NKさん: でも、完璧な外構じゃん。家も立派だし。うちは、外構も家もシンプルな、コンクリート打ち放し。本当にSH邸とは雰囲気真逆だね。
SHさん: そうだね。NK邸は芸能人の家って感じだよな。うちは、なんだろう。
NKさん: お前の家はハイブランドを隠して凛とした佇まい。会社経営者の豪邸って感じだよな。まあ実際そうだし。
SHさん: そうかー?コンクリート打ち放し、やっぱ憧れるよ。
NKさん: でも、RC住宅って全国で1%だけなんだってな。国が公表してた。都内はもっと多いけどね。多分。
SHさん: 30年後が楽しみだな。木造住宅の価値とRC住宅の価値、どうなってるんだろう。今は環境問題やカーボンニュートラル実現に向けて、木造が正義みたくなってるけど、スクラップ&ビルドがなくなると、RCの価値は高まりそうな気がするね。
NKさん: どうだろうね。確かに、RC住宅を解体するには、木造の倍の費用がかかるから、スクラップ&ビルドの時代だと、木造の方が売りやすかったかもな。でも、壊さず長く住み続けるなら、RCの価値は高まる可能性はあるね。とはいえ、木造だって本当に良い家は資産価値は継続すると思うな。本当は、構造を剥き出しにするデザインが良いんだけどね。昔の家屋は和室がメインで柱や梁が剥き出しの美しい部屋だった。でも今は洋室が主流で、柱や梁は隠れちゃうもんね。だから、構造材は安い材質で良いらしい。悲しいね。
SHさん: とにかく、メンテナンスをして、自分たちの住宅を綺麗に大切に使うことだね。目標はひ孫の代まで保たせることかな。
インタビュアーからのまとめ:
インタビュアー: それぞれの住宅の良さが見えてきましたね。最後に、お二人から一言ずつ、住まいについて感じていることを教えていただけますか?
SHさん: 勉強になりました。木の家に住むのは当たり前かと思っていたけど、考えさせられることが多かったです。木造住宅は日本の文化でもあり、木に包まれて暮らす贅沢さがあります。でも、RC住宅の静かさや堅牢さもすごく魅力的だと分かりました。もし、次に家を建てるとしたら、もう少し選択肢を広げて考えてみたいと思います。
NKさん: 僕はRC住宅にして、家族の安全をしっかり守れてるっていう安心感があるから満足してます。子供のころ、田舎のお婆ちゃんの家が昭和初期の木造住宅でした。縁側でスイカを食べたあの思い出は、日本人のアイデンティティを感じます。木造住宅の良さは心に染み付いている気がします。ただ、都心の場合は、大切な家族の命を守ることを優先しました。結果、RCにして良かったかな。出来ることなら、自然災害から命を守るために、RC住宅に補助金を出してもらえると良いですね。やはり、建築費は高いですから。
インタビュアー: 今日はありがとうございました。木造とRC、それぞれの魅力が分かりました。当社は、木造とRC、ときには鉄骨、いろいろな住宅やマンションを建築します。それぞれの特徴を知っていますが、実際にお住まいになっているお二人のご意見はとても参考になりました。今後も、しっかりとアフターメンテナンスを行なって、ひ孫さんの時代まで守り続けましょう。どうもありがとうございました。
[インタビューを終えて当社からひとこと]
住宅は奥深いです。当社は、RC住宅と木造住宅、どちらも建築しています。今回のRC住宅、NK邸は当社で建築しました。建築家の先生の設計です。美しい住宅に仕上がりました。木造住宅も建築家の先生と一緒に多くの物件を手掛けています。受賞歴も複数あります。どちらの構造にも魅力はあります。インタビューでも話題になりましたが、ハザードマップで危険度を知ることや、近隣の住宅がどのような状態なのか、海抜はどの程度なのか、様々な情報を得て、可能ならば建築家と一緒に素晴らしい住宅をつくりましょう。最高の作品に住んでいただくことを当社は全力でサポートします。
株式会社相川スリーエフは、木造住宅、RC住宅、それぞれのブランドをご用意しています。是非ご覧ください。建築家と一緒に美しい作品をご提供いたします。また、土地をお探しの場合もご相談ください。不動産営業が最適な土地をを探しいたします。
木造住宅 https://oneslife-home.com
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